フレーム補間や倍速液晶機能は、アニメ・映画の敵だ

せっかくの作品が台無しに…

せっかくの作品が台無しに…

今日、滑り込みで、阪急百貨店で行われている新海誠展を見に行ってきました。
歴代の新海誠作品がそろった展示内容で、
すべて回るのに2時間ほどかかりました。

その展示の中で、うわー残念すぎる…と思う場面があって、
皆さん無意識の間にこうなっちゃってないだろうか?って思ったので、
その内容について、書いていこうと思います。
テレビの設定を見直すチャンスかもしれません!

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新海誠展で感じた残念な所

これは新海誠さん自身も想定していないだろうなぁ・・・という想いと、
現場の方々も、悪意があってやってるんじゃないよなぁ・・・
という想いが交錯しています。

正直、誰が悪いって話でもないのですが…
書かずにはいられませんでした。残念です。

せっかくの映像作品にフレーム補間が効いている…

まず前提として、最近のテレビでは、
映像を滑らかに見せる技術の一つとして、
フレーム補間機能が搭載されています。

普段のテレビ映像では役に立つ反面、
映画やアニメを再生する場合には、
これなんやねん…ってなる機能なんです。

フレーム補間機能とは?

通常、映画やアニメは、60fpsではなく、
実質30fpsや、24fps等、比較的滑らかではない映像になっています。
これは、以下の記事でも触れたとおりです。

動画制作・映像制作、はたまたゲーム実況でも意識したいフレームレートの説明から、動きに強いフレームレートの世界について、一言物申している記事です。 ヌルっと動く映像よりも、24fpsでそれっぽくみせてもいいんじゃないの?という話です。

通常のテレビ映像も、実質30fps相当なので、そこまで滑らかではありません。
フレーム補間機能は、テレビ映像を滑らかにするために、
映像の動きから計算して、実際に描画されるフレームの間に、
仮想のフレームを入れて、物の動きを滑らかにする機能です。
ネット上ではニコニコ動画でよくみられるテクニックでもあります。

1秒間に30枚の絵がある(30fps)として、
その隙間に1フレームづつ補間(絵を入れる)すれば、
倍の60fpsのように見えるということです。
最近では、2倍ではなく、4倍にする倍速液晶もあるようです。
Wikipediaで調べてみると、フレーム補間は、倍速液晶とも呼ばれるようです。

家電量販店のテレビで見たことないですか?

家電量販店のテレビでは、参考映像として、地上波の映像そのものや、
映画の予告編が流れていると思います。

デモで流れている映像で、
妙にぬるっとした動きをしているシーンを
見たことがないでしょうか? あれが、フレーム補間、
もとい、倍速液晶機能がONの状態です。

便利な機能ですが、映画やアニメ作品には不要

倍速液晶は、元々液晶テレビの残像感を減らすために開発された技術ですが、
元々フレーム数の少ない映画や、アニメ作品にフレームを補間したところで、
その質感が失われてしまうのです。

24fps動画にこだわりを持ち、去年から撮影を始めたのですが、これまでの撮影記録や、映像を見て、感じたことをまとめてみました。 普通の動画と違う24fps動画の世界は、レンズの選択と同じような奥深さがあるように感じました。

新海誠作品では、秒速5センチメートルが大好きなのですが、
踏切で電車が通過するシーンをフレーム補間で見ると、
ヌルヌル動きすぎて、逆に気持ち悪いことになります。
60fpsの映像とも言い難いヌルヌル感なのです。

その機能、止める事できるの?

各テレビの取扱説明書を見ないとわかりませんが、
機能を止めることはできるようです。
気になる方は止めてみることをおすすめします。

さいごに

テレビを製造している各メーカーも、
残像感をなくすために開発した技術で、
映画やアニメの質感を無くしたくはないと考えていると思います。
簡単に倍速駆動を止めることができたり、
テレビがわからない人でも、
ボタン一つで機能を止めることができればいいなぁと思いつつ、
今回の新海誠展で感じた残念な話を終わりたいと思います。