デジカメの設定画面で、60iと60pって見たことないですか?
カメラの説明書でも、あまりこの差に触れていることが少なく、
60iよりも高画質なのは60pですぐらいしか書かれていません。
60という数字は同じとはいえども、その実態は全く異なるものになります。
今日はその違いについて説明していきたいと思います。
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pとiって何?
60p 30p 24p 60i など、設定画面上では、一文字で表現されるこの文字、
それぞれ、略称になっていて、正式名称があります。
i・・・インターレース
インターレースの頭文字であるiで示されています。
インターレースは、画像を半分づつ、2回送る方式です。
目の残像効果を使っているもので、
昔のブラウン管テレビは、画面描写が遅かったために採用された方式です。
(表示面積に対して半分の情報で映像が飛ばせるので、描写が遅くても大丈夫)
昔のドラマで、テレビが映っていると、
上下に黒い帯がビュンビュン走っているような映像があったと思います。
あれが、インターレース方式の特徴ともいえる場面です。
カメラだと、シャッタースピードが人間の感覚より早いので、
あのような黒帯がビュンビュン走る現象が見えます。
蛍光灯の原理と同じですね。
蛍光灯も、明暗を高頻度で繰り返している事はご存知ですよね。
カメラで撮影すると、チカチカしているように見えるときがあります。
それと同じです。(こちらはフリッカとも呼ばれたりしますね。)
p・・・プログレッシブ
アグレッシブじゃなくて、プログレッシブです。
液晶テレビはこれですね。
画面を全部一気に描画します。
カメラでパソコンの画面を映してみてください。
昔のテレビと違って、画面の一部が黒くなることはないはずです。
これは、液晶テレビの描画スピードが速いということを示しています。
よって、プログレッシブの映像がきれいに映るというわけです。
(だいぶ端折ってますがそういうことです)
テレビ放送はどうなの?
自宅にあるテレビ、ほとんどの方が液晶テレビですよね。
地上デジタル放送の映像は、いったいどの方式で提供されているのでしょうか?
正解は、60iです。
つまり、フレームレートとしては60fpsだけれども、
インターレースなので、60/2で30fps相当になっています。
これが、以前にも書いた通り、テレビは30fps相当であることの証明です。
でも、液晶画面は、黒帯が出てこない=プログレッシブですよね。
なんで地上デジタル放送の映像がインターレースなのに、
キレイに液晶テレビで見られているのでしょうか?
テレビがインターレースを解除している
テレビは、受信した映像を映し出す前に、インターレースを解除しているためです。
これをデインターレース、または、インターレース解除と呼びます。
ここで活躍してくるのが、テレビに積まれている映像エンジンです。
テレビによって画質が異なるのは、この映像エンジンによるものです。
デジカメも、積まれている画像処理エンジンによって画像の見た目が変わりますよね。
それと同じです。
動画共有サイトはどっちなの?
Youtubeでは、プログレッシブでアップロードすることが推奨されています。
最近では見なくなりましたが、
鉄道動画で、電車の輪郭や窓枠が、
櫛状にグニャグニャになっている映像を見たことがないでしょうか?
あれは、インターレースのまま映像をアップロードしているためです。
つまり、Youtubeなどの映像共有サイトに上げる場合は、
プログレッシブで撮影することが求められます。
今回伝えたかったことはほぼこれです。
とはいえ、最近ほとんど見なくなりましたよね。ギザギザ動画
さいごに
インターレースとプログレッシブのちがい、わかりましたでしょうか?
本当は絵を用意して説明するべきところなのですが、
絵の才能がない上に、解説サイトは他にもたくさんあるので、
絵付きの説明がほしい方は、ググってみることをおすすめします。(他力本願)